大きな地震が発生すると、緊急地震速報が発表されます。緊急地震速報は、一般的にはテレビ・ラジオ放送で流されるものと、携帯電話に配信されるエリアメールがあります。
いつ、どのくらい揺れるのか?
テレビやラジオから流れる緊急地震速報のチャイム音や、携帯電話の不気味とも言えるアラーム音に、心臓が縮み上がるような思いをされた方も多いでしょう。
緊急地震速報は、テレビ・ラジオでは全国一斉に放送され、携帯電話には、基本的には震度5弱以上の揺れが予想される地域に配信されます。
その場合『○○地方で地震発生。強い揺れに注意してください』という文言が文字や音声で流されますが、それだけでは地震の規模や、自分の居場所がいつ、どのくらい揺れるのかがわかりません。
理想的には、緊急地震速報を受信した段階ですぐに身を守る行動を始めるべきですが、実際には、揺れが来るまでじっと身構えてしまうことも多いものです。
情報を最速で得るために
そんな場合でも、震源、規模、揺れの大きさ、自分の居場所への揺れの到達時間が、瞬時にわかる方法があります。国立の研究機関である防災科学技術研究所が提供する、『新強震モニタ』です。
これは全国に設置された地震計のデータがほぼリアルタイムで地図上に表示されるもので、地震発生時には地震の規模(推定マグニチュード値)、震源の場所、各地の震度(色で表示)、S波とP波の到達範囲が1秒ごとに更新されます。
ですから緊急地震速報を受信したり、揺れを感じた時に立ち上げれば、避難行動の要否などを判断するために必要な情報が、最短時間で入手できるのです。
ただし主にパソコンとスマホ向けで、いわゆるガラケーでも閲覧できますが、残念ながら分単位の時間差が生じてしまいます。
スマホ向けには専用アプリもあり、パソコン向けにはバックグラウンドに常駐して監視し、地震発生時に自動的に起動するタイプもあります。『新強震モニタ』で検索すれば、関連情報がたくさんヒットします。
緊急地震速報を受信した時、皆が「どこだ?どれくらいだ?」と身構えている間に、瞬時に正確な情報が得られるのですから、身を守るためには最良のツールと言えるでしょう。
家庭に備えたい設備
家の中では、いつもテレビやパソコンがついているとは限りませんし、携帯電話が手元に無いこともあります。そこで役立つのが、ケーブルテレビ回線で配信される緊急地震速報です。
これは、専用端末からのアラーム音と音声によって、その場所で予想される震度と揺れが到達するタイミングを警報するもので、一般的には予想震度3以上で発報しますから、小さな地震でも揺れる前にわかる安心感は絶大です。
小さな地震でも、警報が出たらすぐに火を消す、安全な場所に移動するなどを習慣にするための”抜き打ち予行演習”ができるという効果もあります。
特にお子さんには、「警報が出たらこう動け」と教えておくことで、ひとりでも身を守れる可能性が大きく高まります。
このシステムを導入するためには、通常はケーブルテレビ契約が必要ですが、緊急地震速報のみの契約ができることもあります。
もちろん、震源がごく近い場合には警報より先に揺れが来ることもありますが、これは緊急地震速報自体のシステム的限界であり、他の速報システムでも同様です。
多重システムで地震に備える
このように、我々が一般的に利用できる緊急地震速報にはテレビ・ラジオ、パソコン、携帯電話、ケーブルテレビがあります。
それぞれを多重的に備えることで、ほとんどの居場所で、多少なりとも余裕を持って“地震を迎え撃つ”ことができる可能性が高まるのです。