『防災士』について詳しく紹介:防災リーダーとなる基本的な知識と技量を持った人材を養成するための制度

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『防災士』という資格があるのをご存じでしょうか。これは、特定非営利活動法人(NPO法人)である、日本防災士機構によって認証される民間資格です。

防災のプロ?

『防災士』制度は、1995年に発生した阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)で得られた教訓を基に、2002年に発足しました。その教訓とは、大規模災害の場合は行政機関も被災するので、救助や消火活動の初動が制限され、限界がある、ということでした。

『防災士』制度は、そのような状況で自主的に活動できる、地域や団体などの防災リーダーとなる基本的な知識と技量を持った人材を養成するための制度です。

『防災士』になるための資格取得要件は、3つあります。

テキストの自主学習による履修検定レポートを提出すること、防災士研修講座(集合研修)を修了し、防災士資格取得取得検定に合格すること、消防本部、日本赤十字社など公的機関またはそれに準ずる団体が主催する『普通救命講習等』、『救急法基礎講習等』を受講し、その修了証または認定証を取得することです。

これらを修了することで、大規模地震をはじめとする自然災害の知識と様々な状況での対処法及び、基本的な救命救急法を修得します。

名称に『士』が入っているので、いわゆるサムライ資格のように思われることもありますが、民間資格ですから特別な法的権限はありません。『防災士』資格を取ったからと言って決して”防災のプロ”ではなく、あくまでボランティア活動が基本です。

その理念は3つ

防災士の基本理念は、『自助・共助・協働』です。これは、一般的に言われる自主災害対策の基本理念『自助・共助(互助)・公助』と、意味合いはほとんど同じです。

自助とは、まず災害から自分の身を守り、活動体制が維持できる備えをすること。

共助とは、発災後に公的機関による救援が得られるまでの間、地域や団体などの人々と助け合いながら救助や支援に当たること。

協働(きょうどう)とは、公的機関などの救助や支援が始まったら、それらと協力・連携して活動することです。

そのような活動の際に、正しい知識と技量を持って、防災リーダーとして効果的な活動ができる人材であること。それが『防災士』に求められていることと言えます。

普段は何をする?

『防災士』になると、普段はどんな活動をするのでしょうか。

平時の活動における『防災士』とは、『減災と社会の防災力向上のための活動が期待され、かつ、そのために十分な意識・知識・技能を有する者』とされています。

しかし、実は“これをしなければならない”、という縛りは一切ありませんし、『防災士』になるとこれができるようになる、ということもありません。その活動はあくまで自主的なボランティア活動であり、各自が状況に合わせて、自ら考えて行います。

『防災士』は、支援団体『日本防災士会』に任意加入することができ、会員相互の交流、スキルアップのための講習・訓練、災害被災地の支援・調査などの活動が行われていますが、自分の地域や団体での具体的活動のための情報が十分に得られるとは言えません。

防災士資格を取得して、自主的に活動する方法などがわからない場合には、『日本防災士会』に加入して、各支部での行事や講習会などに参加しながら、具体的な活動スキルを得ると良いでしょう。

減災への大きな力

大規模災害が発生しても、行政の救援・支援は決して隅々にまで速やかには行き届きません。そんな時、その地域や団体に正しい防災知識を持った防災士がひとりいるだけで、被害の拡大を抑えたり、早期の対応で救命率が上がるなどの効果が期待されます。

防災士には、そのような役割が求められています。



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